朝、目が覚めた瞬間からずっしりと体が重い。
「今日こそは何か進めないと」と思っても、スマホを見る気力すらない。
うつ病のピークの時期、私は「自分はもう社会から置いていかれてしまった」「これまでの積み重ねをすべて失ってしまった」と、深い絶望の中にいました。
仕事、キャリア、これまで当たり前のようにできていた日常――。失ったものを数えては、落ち込む日々でした。
でも、長い休職期間や療養の日々を過ごす中で、少しずつ見えてきたものがあります。
それは、確かに失ったものもあったけれど、「意外と失わなかった大切なもの」や、むしろ「立ち止まったからこそ気づけた新しい価値観」でした。
今まさに、暗闇の中で「自分はすべてを失ってしまった」と怯えているあなたへ。
この記事では、私がうつ病での休職中に何を感じ、どうやって少しずつ視界が開けていったのかを、飾らずにお話ししたいと思います。
今すぐ無理をする必要はありません。
ただ、少しだけ心を休めるつもりで、読んでいってもらえたら嬉しいです。
1. うつ病のピーク時に「失った」と感じたもの
うつ病が最もつらい時期、私の頭の中を支配していたのは「私は大切なものをすべて失ってしまった」という焦りと絶望感でした。
当時、特に強く感じていたのは以下の3つのことでした。
①キャリアや仕事のペース(社会とのつながり )
毎日のようにこなしていた業務が突然ストップし、「このまま自分は会社に戻れないのではないか」「キャリアがすべて終わってしまった」という恐怖に襲われました。
同僚が元気に働いている姿を想像するだけで、自分が取り残されたような疎外感がありました。
②日常のエネルギーと楽しむ気力
朝起きること、ご飯を食べること、お風呂に入ること。
生きるための基本的な動作さえも重い鉛のように感じられ、以前は好きだった趣味や読書、投資のチャートを見る気力すら完全に消え去っていました。
「何をする気力もない自分」に対して、情けなさと絶望を感じる日々でした。
③自分への自信やコントロール感
「自分の心や体さえ、自分の思い通りに動かせない」という現実は、これまでの自信をすべて打ち砕くのに十分すぎる衝撃でした。
明日がどうなるのか分からない不安で、先のことを考えることすら怖かったのを覚えています。
何もできなくなった自分を責め、「失ったもの」の大きさを数えては、ただ落ち込むことしかできない。
そんな暗闇のピークが、私にもありました。
2. それでも『意外と失わなかったもの』に気づいた瞬間
すべてを失ったような絶望の底にいるときは、「自分には何もない」「もう元には戻れない」と思い込んでしまいます。
しかし、長い休養期間を経て少しずつ心が落ち着いてくると、「あれ、意外とこれは失っていなかったな」と気づく瞬間が訪れました。
当時、私がハッとさせられたのは主に次の3つのことです。
①家族や周囲のあたたかな支え
仕事ができない無様な自分になってしまったとき、「役に立たない自分には誰も寄り付かないだろう」と勝手に怯えていました。
でも、身近な家族やパートナーは、何も言わずにただ側にいてくれ、「生きているだけでいいんだよ」と存在そのものを肯定してくれました。
人間関係の「量」は減ったかもしれませんが、本当に大切な「絆」は失わずに残っていました。
②これまで培ってきた経験やスキル(自分自身)
会社の肩書や目の前の業務からは一時的に離れましたが、それまでに自分が積み重ねてきた知識や、仕事に向き合ってきた経験、あるいは人生の引き出しそのものが消えてなくなるわけではありませんでした。
「会社員としての自分」は休止しても、「自分という人間」の土台はしっかり残っていたんだと、後から振り返って気づきました。
③「立ち止まること」で得られた新しい視点
毎日ただがむしゃらに働き続けていた頃は、自分の心身の限界に気づくことすらできませんでした。
強制的に立ち止まったからこそ、「自分の人生にとって本当に大切なものは何か」「無理をしない生き方とは何か」を見つめ直す時間が生まれました。
これは、当時の私にとっては大きな財産になりました。
すべてが壊れてしまったように見えるトンネルの中でも、決して失われていないものや、代わりに手に入った大切な芽が、足元にはちゃんと残っていました。
3. 休職期間が教えてくれた新しい気づき・価値観
うつ病のトンネルを抜け、少しずつ日常を取り戻していく中で、私は以前とは少し違う景色が見えるようになっていました。
無理をしてがむしゃらに働き続けていた頃には絶対に気づけなかった、大切な価値観や生き方のヒントが3つありました。
①「何もしない時間」は、サボりではなく人生のメンテナンス
これまでは「常に生産的でなければいけない」「止まったら置いていかれる」と自分を追い込んでいました。
でも、徹底的に立ち止まったことで、「心や体を休めることは、人生の遠回りではなく次に進むための必須のステップなのだ」と腑に落ちました。
②お金や仕事との付き合い方の見直し
キャリアやお金(投資や生活設計など)は大切ですが、それらはあくまで「自分や家族が健やかに生きるための手段」にすぎません。
何よりも優先すべきは「自分の心と体の健康」であることを、身をもって学びました。
③完璧じゃなくても、そのままの自分で生きていいという許可
「すごい自分」でいなければ価値がないと思い込んでいましたが、どん底を経験したことで「多少不器用でも、こうして生きているだけで十分尊い」と、自分を許せるようになりました。
まとめ:失ったものに囚われなくて大丈夫
うつ病の渦中は、「仕事やキャリア」「自信」など多くのものを失ったように感じて絶望してしまいます。
ですが、長い療養期間の中で見えてきたのは、決して失わなかった大切な絆や、立ち止まったからこそ得られた新しい視点でした。
・失ったものばかりではなく、本当に大切な絆や土台は残っていた
・「何もしない時間」はサボりではなく、次に進むための必須のメンテナンスだった
・完璧でなくても、そのままの自分で生きていい
今まさに暗闇の中で不安に震えているあなたがいたら、こう伝えたいです。
「今すぐ元に戻ろうとしなくても大丈夫です。あなたの中に残っているものは、ちゃんとあなたを支えてくれます。」
焦らず、あなたのペースで、少しずつまた歩き出していきましょう。


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